ためらい

 それが、何日前からのことだったかなんて、正確なところは知らない。
 もっと前に気付けよって小突かれたけど、しょうがない。だったら言えばいいだろうなんて、さすがに不貞腐れたりはしなかったけれど。

 もしちゃんと、本当に知りたかったのなら、知っておきたかったのなら、俺がもっと、しっかり、ちゃんと見ていれば良かっただけのことだ。

 4日、前。
 血のような夕陽ですごくキレイな空をぼんやり眺めてる後ろ姿に、はっきりした違いを見た。
 それから過ぎた時間。
 何がどう違ったのか、とか、早く気付いていたらとか、本当は今でもよく判らない。

 唯、何となく。

 同じものを見れたら、それを、理解(わか)れるんじゃないかと思ったんだ。



 だから、かな。

 ためらう腕を引っ張り、僕らは一緒に旅に出た。







20071010

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